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飼い主はペットと言い、行政はペスト(有害小動物)と言う

同じフェレットをハワイとペンシルバニアで飼ったとしよう。違いは何か。
前者は3年間の服役に加えて数千ドルの罰金を支払うことになるだろう。
そう。これがアロハな州、ハワイでのフェレットファンへのペナルティだ。

ハワイにもイタチやヨーロッパケナガイタチファンは多いが、彼らは軽蔑の目に見られてしまっている。
それは島という独特な地形においては、脱走した動物が生態環境を破壊することへの懸念が常につきまとうためだ。
そしてこのハワイに限らず、カリフォルニアという多様な生物が生息する州においても
数十年に渡って同様のことがおきている。

「懸念事項としては、もしフェレットが脱走した場合に、他の外来生物同様に、元来この土地に根付いている動物達の
食べ物を奪うことになったり、在来種を外来種が捕食してしまうことにあります。」

こう語るのはカリフォルニアの魚類鳥獣部の副部長であるアンドリアナ・シェア氏だ。

カリフォルニア州では実際に生息していないはずの野生動物による在来種への悪影響を把握してきた。
それは上述したように、外来種が在来種の食べ物を奪ってしまったり、
在来種が外来種によって食べられてしまうというものである。
例えば野生の猫が大量の鳥を殺してしまったことがある。
ハワイでは過去にネズミ対策としてマングースを連れてきたことがあるが、
これをハワイ農林水産省の脊椎動物の専門家であるミナミ・キービン氏はこう話す。

「浅はかな考えでした。ネズミは夜行性でマングースは昼行性です。
 互いに朝と夜が交差するわずかな時間に顔を合わせるだけで終わってしまったのです。」

しかしフェレット愛好家にも言い分はある。
そもそもフェレットは体長30cmほどの飼い慣らされた動物でありペットとしては非常に優秀。
そんなフェレットを、野生動物の観点から取り締まろうというのが間違っているという主張だ。

「私達みたいなちょっと偏った人間にはフェレットは最高の動物なのです。
 フェレットは散らかし屋さんだし高額だし色々要求してくる性質です。
でも個性溢れる性格で愛情もいっぱい、楽しさもいっぱいです。」

と語るのは、20年に渡ってカリフォルニアでフェレット規制と戦っているサンディエゴ在住のパット・ライト氏だ。

フェレットをペットとして飼育するには犬や猫よりもお金も時間もかかる。
最近ユーチューブにフェレットの動画を載せたアメリカン獣医薬学協会は、
フェレットは1日の大半をケージで過ごすが運動も必要であり、
人によっては非常に不快に感じる匂いを出すことを指摘している。大型ケージの購入にはお金がかかるが、
その一方でフェレットは犬や猫ほど体に気をつけたり歯をきれいに保ったりといった必要はない。

「フェレットはかわいいピエロよ。飼い主のハートだけでなく、彼らが自分のものと思い込んだものは何でも盗んじゃうの。
靴、靴下、ペン、鉛筆、ブラシ、じゃがいも、車の鍵、財布に洋服。
私は3匹のフェレットを飼っているけれど、そのうち2匹で私のノートPCを秘密基地に運ぼうとしていたわ。」

マニー、マーカス、メイリーンという3匹のフェレットを
ペンシルバニア州で法的な縛りなく飼育しているアミージョ・キャスナー氏は話す。
フェレットは抗鬱剤より効果があり、さらには、フェレットからインスピレーションを得て
フェレットの洋服を手がけるようになったキャスナーさん。

アメリカ国内でどれだけのフェレット飼育者がいるかは統計が取れていないが、
米国ペット製品協会の1992年の発表によると、
2つの州に加えてニューヨークや軍基地といった大都市でその飼育を禁止されているにも関わらず、
アメリカ国内の小動物(マウス、ラット、フェレット、ジャービル、うさぎ、ハムスター、モルモット)の飼育者のうち
2%がフェレットを飼っており、2000年には10%、2010年には7%の人がフェレットを飼っているという。

カリフォルニアではフェレットの飼育に対して500ドルの罰金および6ヶ月の懲役が科せられるとされているが
ライト氏が推測するに同州には5万頭から50万頭のフェレットが内緒で飼われている。
この数字は州内で販売されているフェレット用品の販売数や、
ライト氏が立ち上げているフェレット飼育禁止に対する法的訴訟に賛同する5000人ものメーリングリスト参加者の数から
推測される数字である。

鳥獣部では実際の数について把握しようとしていないと主張するシェア氏は、
カリフォルニア州ではこの規制を管理する人の数が不十分で、
実際の規制にのっとって厳しく取り締まることができない状況にあると指摘する。
アリゾナやネバダの州境には、フェレットが買える場所までの案内図が出ているし、
カリフォルニアのほとんどのペットショップではフェレット用のフードや飼育用品が販売されているのが現状だ。

しかしハワイでは取り締まりは厳しい。
フェレットの目撃情報に対しては全て現場確認を行う。
昨年1匹捕獲されたフェレットはハワイ島人文学会に送られ、検疫を済ませてから州外へと輸送される。
島内へのフェレットの持込、販売、飼育には20万ドル(約2000万円)までの罰金か
3年間の懲役が科せられる。

AVMAの獣医であるベラリー・タイン氏は、販売前に去勢や避妊を行ってからフェレットを販売することで、
脱走や繁殖に対する懸念を和らげることになると提言する。

「フェレットが脱走した場合にアメリカ国内の野生環境で繁殖することを恐れている人も多いです。
 フェレットの繁殖が在来種に悪影響を及ぼす可能性があるためです。
 ペットとして飼われている限り、実際に野生下で繁殖するなんて話は聞きませんから
 やはり脱走したときの繁殖を恐れているんです。」

80年に及ぶカリフォルニアのフェレット飼育禁止に関する法律は、委員会の評決か法案制定で変えることができ、
1994年から6度表題に上がっている。
2004年にはあと少しで法律が変えられるところだった。

ライト氏は次なる訴訟を目指してスポンサーを探しているが、訴訟伴う作業を考えると1人では到底行えない。
さらに他の銃規制や健康規制に立ち向かう人達同様、周囲からの嘲笑の目も避けることができない。


(2013年1月8日 BBCニュースより)
ライトさんのフェレット
☆おしまい☆

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