? きつめのきつね・フェネックキツネ飼育の専用部屋を増築
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いたちは全く手がかからず、
フェレットって何て素晴らしいペットなんだろう
といつも思っていました。
トイレをちゃんと覚えてくれる。
いたずらしない。
だから誰に臭いと言われようとも
私は毎晩れの字と一緒に寝ていたし、
家じゅう放し飼いで全然問題ありませんでした。

フェレットほど私にぴったりの動物はいないと
今も思っているのですが、
そんな私は今ではフェネックの飼い主です。
フェレットと異なりフェネックはとても手がかかります。
いやそれがペットとしては普通なんだよ、
と言われば元も子もないのですが、
何せ私にとって「いたち」ほど相性の良いペットが
いなかったのでそれに比べると
フェネックは手がかかるとしか思えないのです。

もちろんどんだけ手がかかろうとも
私はフェネックが好きです。
(好きでなきゃ6匹も飼わない。)
このたびフェネック部屋を新しく造りました。

50畳くらいの部屋に土遊びができるように砂をてんこもりして
フェネックが洞窟の中で生活できるような洞穴を作って
さらに追いかけっこして遊べるように小山も作ってみました。

・・・んなわけない。んな広さない。んな金ない。

5.5畳のフェネック部屋です。

キツネ達よ、許せ。私の財力ではこれが限度なのだよ。

この5.5畳にフェネック飼育者としての私の思いの全てをぶち込みました。

「全てが異例。依頼内容も何もかも。。。値引き額も。。。」

リフォームを担当した業者さんを苦労させてしまいました。

初代フェネックのファラオを飼い始めてからそろそろ10年。

・ガリガリするから窓も木枠もボロボロだよー。
・トイレ、覚えてくれないかなー。
・ギャギャギャ声が近所迷惑になっていないかなぁ。
・トイレを気にせずにもう少し広い場所で遊ばせてやりたいなー。
・冬はあったかくしてやりたいなー。

これらの「~だったらいいなー。」「困ったなー。」を
全て解決させるべく建ててもらったのが今回のフェネックスペースです。
まず1つ目。
ガリガリするから窓も木枠もボロボロだよー。
今の家に引っ越してきてキツネを放して5分後のことでした。

がりがりがりがり

何の音?

見るとフェネックが引き戸を開けようと
買ったばかりの家の木枠を噛んでいるではありませんか。
うわーっ
とりあえず、の応急処置として引っ越しの時に業者からもらった
テープ(しかも赤色)を速攻で貼りました。
しかしフェネックは常に飼い主の上をいくのです。
しかもありえない形で。
びりびりびりびり。  ごくん。

なになに何の音?

見ると貼ったばかりの赤いテープが物の見事にキツネの口によって
引っ張られて剥がされていました。

そして何その「ごくん」って。

翌日の朝、トイレに赤茶色の塊を見つけることになったのですが
まさかキツネがテープを召し上がっているなど
思いもよらなかった私の頭の中には、
引っ越した翌日に既に
「この先どうしよう。。。」
と暗雲がどろどろと広がっていました。
テープを貼っては剥がされ、
ガリガリと木枠を削られ。

3年後。このような無残な木枠となりました。
カーテンもひどいもんです。
ケージの中から隙間から手を伸ばして
カーテンを引っ張り込み
爪でひっかき、おしっこをひっかけ
うんPをしてから
その上に座る。。。
そんな3年間を繰り返されてしまったカーテンさんは
悲しくも糸状の姿に変わってしまいました。
なんか文句ある?
このたびの増築で木枠ガリガリ対策として導入したのが。。。

このタイル壁です。

フェネックが歯でかじっても爪で引っ掻いても
ビクともしないタイル壁。
普通はお風呂場に用いるような壁素材です。

これで私の
「ガリガリするから窓も木枠もボロボロだよー。」
という問題は解決しそうです。
サハラ砂漠ではそれもフェネックにとっては大変に役立つのでしょうが。。。
一般家庭においては「面倒を呼び起こすシロモノ」でしかありません。

想像してみてください。
トイレのしつけができない動物が。自分の汚物の上に寝転がることも全く気にならない動物が。
さらには自分の夫キツネの背中に平気でおしっこやうんちをするような動物が。
そしてそれを全然気にせずボォーッと座ったままの夫キツネが。
前置きが大変長くなりましたが、要は

おしっこ&うんち≠汚い

そんなフェネック達が自由に遊びまわるとどうなるか。

息子きつねがどこかにうんPをします。
娘きつねがそれを踏みます。
うんPを踏んだ娘きつねの足の裏は、肉球を守るための毛にうんPがくっつきます。
娘きつねは元気な子。そこらじゅうをその足で動き回ります。

父きつねがどこかにおしっこをします。
母きつねがそのおしっこの上を歩きます。
おしっこを踏んだ母きつねの足の裏は、肉球を守るための毛がおしっこに浸されモップ状態になります。
母きつねは元気な子。
そこらじゅうをオシッコモップで部屋中におしっこを足裏モップで広げていきます。

さらにはフェネックはジャンプが得意。
うんPをこねこねさせながらジャーンプ♪
おしっこの上を何度もジャーンプ♪

1匹2匹ならさほどでもないでしょうが、6匹いると悲惨な状況になります。
この「ほんと、どうにかして。」を解決すべく今回導入したのは

この床です。

厨房でも使われている特殊素材で、骨片を入れて滑りにくくし、
且つ水洗いができ、さらにゴミがこびりつかない床材です。

床を滑りにくくするということは
すなわち床表面に凹凸を作るのが一般的でしょう。
しかしそれではフェネック飼い主は困るのです。
なぜならその凹凸にうんちがくっついてしまうからです。

洗い流せるからと言ってタイルを敷けば、
今度はその目地に汚れが溜まり清掃が大変になります。
そこで今回導入したのは 

アルトロ防滑床材

滑りにくく、かつ洗い流せ、凹凸が表面にない床材です。

部屋全体を洗い流しやすいように
壁との接続は弧を描く形に施行してもらいました。
最初に選んだのは7,600円/㎡のものだったのですが、
実際に大工さんが施工しようとしたところ
アーチ形に折り曲げられない素材であることが判明。

急遽、リフォーム会社さんが上乗せ分は負担してくれる形で
8,400円/㎡のモデルにアップグレードしてもらいました。
(らっきー♪)

その際、最初に選んでいたグレーから
気分が変わって黒ピンクに色も変更。
結果的にこの色にして良かったと思えたので二重にラッキーでした。
さあこの床が本当の意味で私の「困った」を解決してくれるのか。
それは実際に暮らし始めてからわかるでしょう。
そしてそれを解決すべく
導入したのが二重窓です。

既存窓にはインプラスをつけて
二重窓にしました。

窓を二重にすることで
音はやや緩和されます。
音の効果も後からわかることなので、
ここでは導入したものの紹介のみ
といたします。
3つ目。
ギャギャギャ声が近所迷惑になっていないかなぁ。

フェネックは1匹だとあまり声を出しませんが
(ファラオは別。あいつは1匹飼育だったのに寂しがり屋でうるさかった。。。^^;)、
2匹以上だとけたたましいです。
と書きましたが、実は騒がしいのは我が家ではトトメスだけです。。とにかくうるさいのです。
フェネックを部屋で遊ばせていると、家から20m離れた場所からでも 
けけけけけっ きぇーー!!!! 
と、おぞましい叫び声が聞こえてきます。

近所から苦情が来るのも時間の問題だろう。お隣さん、お向かいさん、本当にごめんなさい。
4つ目。
トイレを気にせずにもう少し広い場所で遊ばせてやりたいなー。

2つ目のところにも書いた通り、
フェネックはトイレのしつけができないため自由に遊ばせると
そこらじゅうにトイレをしてしまいます。

また、高いところに上って色々なものを口にくわえたり倒したり。
私の子供の紙おむつや靴下はフェネックにとっては格好のおもちゃで、
見つけるとものすごい速さで咥え去り、
その後の回収が非常に困難を極めます。
フェネックを散歩させる部屋とその長さが
彼らの「トイレを覚えない」という習性のために
かなり制限せざるをえない状態でした。

それを解決すべく今回考えたのが、
中庭のテラスをフェネックに容易に開放させること。

フェネック部屋を1Fに持ってきて、部屋の大窓を開けばそこがテラス。
既にテラスはタイル敷き且つ屋外なので多少の粗相は気になりません。
テラスの左右にはピッチが細めのゲートを設置。
フェネックが逃げ出さないようにしました。

しかしこのゲートにたどり着くまで
営業担当さんを大変に苦労させてしまいました。
私の要求が細かかったからです。

1.ピッチは5cm未満であること
2.開閉扉がついていること。
3.下部に隙間がないこと。
4.設置部とゲートの間に5cm以上の隙間ができないこと。
5.高さが180cm以上あること。

「よ、よ、よ。。。ようやく見つけましたよ~!!!」

ヘロヘロになった担当営業マン。
「これですっ」
と打合せの時に営業マンが意気揚々と見せてくれたのは
私が彼に突き出した上述の5条件を
全てクリアするものでした。

ありがとう。これでお願いします。

という私の返答を聞いてホッとした彼。しかし

この『ホワイトパイン』でお願いします♪

という私の言葉に彼は顔を曇らせました。

「すみません。。。このホワイトパインだけ、
 他の色より値段が高いんです。」

その言葉を聞いて今度は私の顔がどしゃぶりになりました。

でもでもこのホワイトパインがいいんですぅーーー。。。

「もしどうしても、ということであれば
 2万円ほどの追加料金で。。。」

2万っ 2万っ に、に、2万っっっ?!

「えと、あの。はい。。。たぶんですが
 全部で2万円くらいの上乗せで変更できます。」

うるうるうるうる。。。。。(上目使い)

5分ほどの押し問答の末、

「ホワイトパインでいきましょう!
 料金の上乗せはなしで頑張ります。」

という営業マンさんの言葉をいただきました。
らっきー♪ 
(↑営業マンにとっては二度と相手にしたくない客だろう。)
柵と柵の間は5cm。
柵と地面の隙間も5cm未満。
そして営業マンさんの努力と涙のおかげで設置できたのがこの柵です。
あと気になったのが隣の家のフェンスにある隙間です。15cmほど。
高さ1mのコンクリート壁の上に15cmの隙間があるのです。
この1m。
飛ぶんです、フェネックは。

1mの高さの壁に手をかけて15cmの隙間に頭から突っ込んで
隣の敷地に逃げてしまう可能性が十分にありました。
そこで自分で用意した白い金網を、お隣さんの了解を得て
フェンスにつけてもらうことにしました。
フェネックは無理やり頭を突っ込んで逃げ出すような動物ではないので、
金網が張ってあることが見た目でわかれば無茶はしないでしょう。
5つ目。最後。
冬はあったかくしてやりたいなー。

フェネック部屋にはエアコンがなかったため、
ケージの上から何重にも布をかぶせていました。
ケージ底面にはパネルヒーター。
これだけで真冬もなんとか乗り切ってくれていました。

キツネの体温とパネルヒーターで
ケージ内の温度を最低限保っていた状態でした。

増築箇所に設置したエアコン。
ようやくフェネック達にも極寒でない冬を
過ごさせてやることができます。
流し台をつけてもらったので、
餌やり水やりがフェネック部屋だけで完結します。

今までは食器や給水ボトルを持って
キツネ部屋と台所を往復していたのでだいぶ手間が省けそうです。

お湯も出るようにしてもらったので、
フェネックの丸洗いも可能です。
電源コンセントはフェネックがいたずらしない高さ、120cmにしてもらいました。
防水3口のコンセントを2か所、防水1口を1か所。
ケージの底面に敷くパネルヒーターをタコ足配線なしでつなぐことができるようになりました。
防水コンセントってわかっていても
近くに水が当たると
ちょっとどきどき。
24時間換気を設置し、臭いが外に常時逃がせるようになりました。
キツネも部屋も丸洗いできる作り。ああ満足♪
天井に近い所に棚を設置してキャリーケースを並べられるようにしました。
流し台の横に棚を2つ。何かと便利です。
2つ目。
トイレ、覚えてくれないかなー。

フェネックはトイレを覚えてくれない動物です。

ケージの中でもこの状態→。

糞やおしっこが下に落ちるように底がアミアミのケージですが
ケージのあっちこっちのアミアミにウンチがこびりつきます。

とは言っても、
ケージ内のトイレ環境は家を増築したところで変化は望めません。

ケージから出して遊ばせているときのトイレだけでも何とかしたい!
所構わずおしっこ、うんち。
しかもそれを気にせず楽しく踏み踏み・こねこね。
そしてオシッコやうんPがついた足で部屋中をうろうろ。
あーどうにかしたいっ。
フェネックの足裏って犬や猫の肉球とは違うのです。

足裏が全て毛で覆われていて肉球があまり見えません。
砂漠の熱砂にも耐えられるよう、
灼熱の地面に肉球が直接当たらないように
このように↓毛が守っているのです。
特別にあたしの足の裏を見せちゃうわ。
え?見えない?
これでどう?見えるかしら?
見えるかしらっっっ。
これ以上は無理だからねっ。
ぜぇぜぇ。
ふぅ。疲れたわ。