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ペットの細胞保存

~クローンフェレットへの道~
体は死んでしまっても、細胞が生き続けるとしたら。
全く同じ細胞を持ったペットを、また誕生させられるという選択肢があるとしたら。

ペットの細胞を保存してくれる、日本で唯一の研究所を尋ねました。
研究所は現在は広島県にあります。
広島市から40kmほど郊外に出たところ。
美しい緑に囲まれた山荘の
そのまた奥に建てられた
ここ、フレンドセル研究所です。
この山荘にピッタリの字体で書かれた研究所の名前。
この方が鈴木達行先生。
フレンドセル研究所の代表です。
研究所に一歩足を踏み入れると
そこには

機材
機材
機材のオンパレード。
鈴木先生がクローン用ペットの細胞保存を始めたのは平成15年。
山口大学が初のベンチャービジネスに乗り出したときのことです。
山口大学の研究室の1つを借りてスタートした
ペットの細胞保存事業でした。

事務担当のパートさんや、博士号クラスの助手を
スタッフとして雇って準備は万端。
多くの期待を持って始めたビジネスでした。

ところが。

ペットの細胞を保存しようという人の数は、
期待を上回るどころか事業として成り立つかどうかの
瀬戸際ラインまでも下回ってしまいました。

大学の研究所の優遇賃貸期間である5年間が過ぎ、
その後も同じ研究所を借り続けるだけの資金もなくなりました。
そこで鈴木先生は、事務員やスタッフを手放し
個人的にこのペットの細胞保存を続けようと心に決め、
ご自身の別荘の横に研究所を建てたのです。

さらには今までは大学から借りることができた
様々な機械や器具を全て自分で揃え、
細胞を保存できる場所も敷地内に確保したのです。

かくしてペットの細胞保存は、大学初のベンチャービジネスから
鈴木先生がほとんどボランティアで行う作業へと転換しました。

「まったくもって赤字です。もう趣味の世界ですよ。」

そう言って笑う鈴木先生。

ではなぜそこまでして先生はペットの細胞保存を続けたのでしょう。

それにはペットを失った飼い主の救いになりたいという
鈴木先生の強い思いがありました。

先生自身、過去に大事なポメラニアンを見送っているため
ペットの飼い主の気持ちがよくわかるのです。



山口大学から別荘横に研究所を移して3年。

お金がかかるばかりのこのペット細胞保存を
もう止めてしまおうと思ったことがありました。

しかしまるでそんな鈴木先生の気持ちを見透かしたかのように、
愛するペットの細胞が保存されていることで
どれだけ気持ちや安らいでいるかという思いを綴った手紙が
飼い主さんから届くというのです。
ではペットの細胞保存がどのようになされているかをご紹介しましょう。

まず、細胞の保存はDNA(遺伝子)の保存とは異なります。

DNAが死後何十年経過しても採取可能なのに対し、細胞は夏場なら48時間以内。冬場で72時間以内の採取が必要です。
DNAは死んでいる状態ですが、細胞は生きています。
DNAからクローンフェレットを作ることはできませんが、細胞からクローンフェレットを作ることは可能です。

共通しているのは、DNAも細胞も動物が生きている時から採取が可能というところでしょうか。

ペットの死後にその細胞を保存したいとお考えの方は、必ず冷蔵した状態でなるべく早く細胞を採取してください。
冷凍すると細胞が死んでしまいます。

細胞の採取は獣医さんであれば無菌状態を保ちつつ執り行うことが可能でしょうし、
鈴木先生のところにその体を手渡しもしくは送っていただければ、先生の方で細胞採取が可能です。その場合は、
細胞採取後にペットの体は飼い主さんに丁寧にお返しします。
今までも何匹ものペットの体が鈴木先生のところに輸送されてきましたが、鈴木先生はその体を飼い主のもとに返すときは、
山に咲く美しい花を添えているそうです。

細胞は鈴木先生のところで生き続け、体は花とともに飼い主のところへ戻る。なんとも素敵な話です。
雑菌が入ってしまうと細胞が生き続けるのは難しくなります。
無菌状態をしっかりと保ちながら
細胞を採取することが必要です。

1.研究所内部をアルコール消毒します。

2.鈴木先生も手を洗い、
  アルコールで自分の皮膚をよく消毒します。

3.器具を用意します。
  ← この滅菌器で器具を殺菌してから使うのですが、
  一度手で触った器具を細胞採取の間に再度使うこともあるため、
  器具は細胞採取中にバーナーで焼いて
  消毒しながら使うことになります。
4.机上にシーツを敷きます。

5.細胞を採取するペットの皮膚をキレイに消毒します。
  アルコールだけでは足りませんので、
  イソジンのような消毒液を使用します。

6.ピンセットで皮膚をつまみ、針を皮膚から5mmくらい入れて
  細胞を体から取ります。

7.採取した細胞は2つの道に枝分かれして、
  最終的にはどちらも同じ細胞保存庫に入ります。


細胞の採取にはおよそ30分の時間がかかります。
枝分かれ道その1:すぐに冷凍庫に入ります。(写真右側)
冷凍庫。温度はマイナス20度以上。
枝分かれ道その2:

ピンクの培養液に浸して細胞を培養します。
細胞を培養する機械。
温度を37度~37.5度、炭酸ガスを5%に保った機内に
1週間入れて培養します。
今入っているのは猫の細胞です。
同じ猫の細胞を3つ採取し
それぞれシャーレで培養します。
培養に失敗することもあるため、あえて複数個のシャーレで培養します。
1週間もすれば、細胞が無事に培養されている(=生きている)ことが確認できます。
採取後すぐに冷凍されていた細胞も
培養された細胞も
このゼラチウムという容器に入れて保存庫に。
小さな細胞の場合はゼラチウムの代わりに
こんな細いストローを保存容器として
使用することもあります。
採取されてすぐの細胞も
培養されて生存が確認できた細胞も
すぐには保存庫には入りません。

どちらもこの冷凍庫で1晩寝かせてから
液体窒素で充満した保存庫に入ります。

そう。お魚さんを買ってきて
すぐに自宅の水槽に放して泳がせることはNGですよね。
しばらく水温に慣れさせてから
ゆっくりと水に放つ。

それと全く同じで、採取後・培養後すぐに液体窒素に入れずに
冷凍庫ですこし足慣らし(?)させてから
保存庫へと格納するのです。
培養されて1週間後の細胞。着実に増殖しています。
ちょっとツンツンした感じの細胞ちゃん。
これを利用するにはトリプシンという酵素を使って処理する必要があります。
トリプシン処理後の細胞ちゃん。ツンツンしていたのが丸っこくなりました。
尖ってばかりではダメ。少し丸くならなくちゃ。
人生とは何か、細胞なりに理解してきたのでしょうか。
鈴木先生が代表を務めるフレンドセル研究所では、現在のところは動物細胞の保存までを請け負っています。
実際にクローンペットを作ることはしていません。

なぜクローンのペットを作れないのか?
技術はあります。作ろうと思えば可能です。しかし研究所では行えません。
その理由は、卵子を集めることが難しいことにあります。

人間の場合は体外受精した受精卵は通常1個(多くて2個)を女性の子宮に戻します。
ところが動物(特に犬・猫)の場合は、1個だけの受精卵では妊娠が成立しません。
もともと複数匹の子供を身ごもるように体のつくりが出来上がっている犬や猫。そんなペット達に妊娠してもらうためには
受精卵を1個子宮に戻しただけでは足りず、通常は5個以上の卵を戻すことになります。

その卵子が集まらないのです。

もしペットの細胞を保存しておくだけでなく、実際にクローンペットを作ってほしいという希望者がいれば
鈴木先生は韓国にいるクローン技術の研究者を紹介することができるとおっしゃっています。
猫のクローン技術の第一人者。孔教授。 犬のクローン技術の第一人者。李教授。
犬の方が猫よりもクローン誕生させるのは難しいのだとか。
クローンペットはどのように誕生するのでしょうか。
身ごもった側のペットのDNAなり細胞なりはどうなっちゃうのでしょう。

まず、子宮内部は外部からの影響を受けない構造になっており、他の臓器や組織と大きく異なります。
皮膚や臓器を移植する際に必ず懸念されるのが拒否反応です。
自分以外の細胞が体内に入ることで、それを敵と認識した際に体はその異物を排除しようとします。
これがいわゆる拒否反応と呼ばれるものであり、他者の皮膚や臓器を敵・異物として体が認識してしまうと
受け入れることができずにショック症状を起こします。

この拒否反応が子宮内部には起こりません。
そのため、他者の細胞を子宮内部に収められたとしても、
母体はそれを他者のものとは認識せずに大事に育て始めるというわけです。

次に、母体の持つ核細胞を予め除去し、クローン細胞を卵子に入れることにより
母体が持つそもそもの細胞(核)が受精卵に継承されることなく卵子は細胞分裂を始めます。

これにより卵子内において他者の核を持った受精卵が育っていくことになるのです。
図で見ていきましょう。
1.そもそも卵子には母体本人の核細胞が存在します。 2.これを取り除きます。
3.クローン再生させたい核を注入します。
4.クローン核が卵子内で定着。
卵子内がクローン核になることで、母体の情報を継承することなくクローン生命が誕生することはわかりました。
ではどうやって受精するのでしょうか。

通常は交尾により精子が子宮に到着し、卵子と受精することで受精卵になります。

しかしクローン細胞に精子と結合する工程はありません。

そこでこの精子の役割を果たすのが磁力です。
5.クローン核が入った卵子の左右から、N極とS極の磁力を数十秒当てます。
6.磁力によって融合された核が受精卵となって細胞分裂を始めます。
これが母体の核を除去、クローン核を注入
さらに磁力で核を融合することができる機材です。
真ん中に卵子を置いて作業します。
2000年、山口大学で上述の方法で作った受精卵を中国のチンタオ農業大学で牛の子宮に戻しました。
5頭の牛に受精卵を2個ずつ戻したところ、そのうち3頭が妊娠。しかしその後1頭は死亡。
残り2頭からそれぞれ元気なクローン子牛が1頭ずつ誕生しました。

実際の細胞の写真と共にご紹介しましょう。
母体の卵子。マイクロプーラー(左側)という器具で卵子を押さえます。
母体の核を取り除きます。
マイクロインジェクター(右側の器具)でクローン核を注入します。
別の画像も見てみましょう。非常に見づらいのですが。。。
卵子にこのクローン細胞を1個入れました。
写真下側に白っぽく写っているのがその細胞です。
培養した細胞たち。トリプシン処理してあります。
1個だった細胞が、
卵子の中で細胞分裂して増えている様子。
受精卵の集まり。1個1個がクローンの卵です。
クローンペットの再生は、フレンドセル研究所では行っていません。
しかし細胞はずっと生きたまま冷凍保存することは可能です。

ではお待ちかねの細胞保存庫へとご案内しましょう。
細胞を採取する部屋(奥)の隣が保管庫のある部屋です。
中に入ると素敵な絵。
全て鈴木先生の作品です。
アトリエの奥に何やら通路が見えます。
保存庫を置く部屋がありました。
アトリエの奥に続く通路の先に
当初は中央の棚に、飼い主さんから送られた1枚1枚のペットの写真を置いて
仏壇のようにしようとしたのですが
鈴木先生の奥様の反対があって現在はワインが並べられています。
建物の外側から見ると保存庫が置かれている場所が
洞窟になっているのがわかります。
土を掘ったままの状態ではペットにかわいそうなので
白いコンクリートをで固めた上に
さらに漆喰を塗りました。
仏像も少し彫ってみました。
これがペットの細胞保存庫です。
それぞれのペットの写真があります。
すべて飼い主さんから送ってもらった写真です。
フタをあけると
ぶわっと白い煙が出ました。液体窒素です。
ペットの写真の裏面には、飼い主さんの住所と名前。
そしてペットの名前や年齢、種類が書かれています。

それぞれの紐の先に、細胞を入れた容器がつながっています。
わざわざ洞窟を掘って保存庫の安置場所を作ったのは
四季を通じて温度が安定しているためです。

暑い場所にこの保存庫を置いていたら
中の液体窒素があっという間に消費されてしまうのです。

気温が安定している洞窟内においても液体窒素は日々消失されており
鈴木先生は月に1回の頻度で液体窒素を補充しています。

重量のある液体窒素。
加えて1回のチッソ補充には3000円分の窒素が必要です。
「あの子達のお守りをしているんです。」
とおっしゃる鈴木先生。
静かな山荘で静かに絵を描きながら
静かに生き続けるペットの細胞たち。
年の半分をこの山荘で過ごす鈴木先生。
山荘にいるときは絵を描くことが多いそうです。
アトリエからまっすぐ伸びた通路の先に
ペットの細胞の保存庫を置きました。
優しい時間が流れる土地の一角の
ほんの小さな壷の中で密かに生き続ける動物達。
700坪の広大な敷地からは沼が見え山が見えます。
大好きなペット。体は死んでしまった。もう生き返ることはない。あの目もあの仕草ももう見られない。

でもそんなペットの一部が生き続けるとしたら。

そんな想いで鈴木先生に細胞保存を依頼してくるペットの飼い主さんたち。そしてその飼い主さんの思いを
優しく大事に受け止めて、静かにその小さな細胞を守っていく鈴木先生。

そんな鈴木先生に大事なフェレットの細胞を保存してもらいたい方に朗報です。
フェレットに限らず、全てのペットの細胞保存料金に割引を設定していただきました。

「いたちなあたちを見ましたっ」と言って頂けると以下の割引が受けられます。

細胞保存・培養料金 75,000円 → 70,000円

保存だけをご希望の方は45,000円です。

上述料金に、最初の2年間の細胞保管料金が含まれています。
3年目からは2年ごとに20,000円の保管料金がかかります。

お問い合わせ、お申し込みは
フレンドセル研究所へ直接お願いします。
またおいで。
☆おしまい☆

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