出産いたち道

陣痛

朝8時過ぎ。助産師さんに促されて陣痛室へと続く廊下を歩きました。
「いまちょうど陣痛中の人がいまして。。。ちょっと騒がしいかも知れません。」
え。。。?

陣痛室のベッドについた途端に聞こえてきた声。

「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!!!!!」
「ああああああああああああああ!!!!!!」

恥ずかしながらこの叫び声を聞いて私は泣き出してしまいました。怖くて怖くて。

それでも容赦なく点滴は始まります。

午前8時半。陣痛促進剤による分娩が始まりました。

点滴のピッチを少しずつ上げていくと同時に、陣痛の間隔が狭まり痛みも増していきます。
相変わらず横では叫び声が聞こえます。

「来たッ。。。来たッ。。。痛いッいたーーーーーいっ痛いイタイイタイ痛いあああああああああああ!!!!!」

私の痛みも強くなり、腰がかぁーっと熱くなりハンマーで叩かれたような、エビ反りになってしまうような痛みとなっていきました。
そんななか、叫び声をあげていた女性は分娩室へと運ばれていきました。
私はというと、管理入院中に練習していた呼吸法を必死に行おうとするのですが、痛みが勝ってうまく呼吸ができません。

いつまでこの痛みが続くのか、痛みはこれからどんどん増していくのはわかっているけれどそれがどの程度のものなのか、想像もできず覚悟もできないまま痛みの波に完全に呑まれている状態でした。

ふいにカーテンがあき、助産師さんが
「赤ちゃんが苦しいサインを出しています。」
どういうことでしょうか。
なんて冷静になっていられるのも束の間。すぐにまた次の陣痛の波が押し寄せてきて会話はできず。

またカーテンがあいて、医師の姿が見えました。
「このまま行くとお腹の赤ちゃんが分娩に耐えられなくなってしまいます。帝王切開に切り替えたいと考えていますが、ご主人に病院にいらっしゃるように連絡は取れますか。」

痛みがおさまってすぐに夫に携帯で電話をするもつながらず。もう一度電話をする直前にまた次の陣痛の波が。
深呼吸を試みるも、やはり痛みで呼吸が浅くなってしまいます。
なんで出ないの。なんで夫は電話に出ないの。
「ご主人、連絡してから(到着まで)1時間半かかるんですよね。うーん。」
医師は夫の到着を待ってから手術に入りたいようなのですが、それではとても間に合わないのが現状の模様。
とそのとき、信じられない言葉が聞こえました。

「あ、ご主人いらっしゃいましたよ。来ましたよ!」

夕方には来る、なんて朝の段階で言っていた夫が、朝の仕事だけ30分程度で終わらせてから早退していたようです。
夫の姿を見た瞬間、陣痛で呼吸が浅い中で私は泣き出してしまいました。
1人で生むんだ。1人で耐えるんだ。なんて強がっていた私なのですが、本当は弱っちぃ女でした。

前日に帝王切開に関する同意書をすべて提出していたため、すぐに手術に移ることになりました。

ベッドに仰向けになったまま、助産師さん3人がかりで手術の準備が始まります。
しかしこれが辛い。

・陣痛中の痛みには仰向けは地獄。
・この時点での陣痛の間隔は3分。そのため痛みが襲ったら準備をやめ、痛みが遠のいてから次の陣痛までの3分ずつで準備を続けてもらいました。
・段々強くなる痛みで意識も朦朧。そんな状態で担架で病院内をガラガラ運ばれる不快感。

「れっちゃんもラムセスも応援しているぞ。」

夫の言葉が耳に入るのですが、耳に入るだけで頭で解釈できません。
そんな状態のなか、私は手術室に運ばれていきました。